缶バッジについたサビ(錆び)を落としたい!錆び取りに有効な方法とは?
弊社で缶バッチを購入されたお客様ではないのですが一般ユーザーの方から、「大切に持っていた缶バッジが錆びてしまいました。どうにかなりませんか?」というようなご質問をいただきました。弊社でも缶バッジのパーツの保存には乾燥剤を入れたり、パーツをパッキンがついた容器に入れたりと工夫はしております。ただしお客様の元へ渡ったあとにはお客様の保存状態や使用形態によってどうしても錆び発生してしまいます。
できるだけ湿度の低いところで保存していただくのが有効ですが、それではバッジをつけて楽しむこともできませんので、雨に濡れないようにとか、湿度の低いところでご利用いただくとかしていたければと思います。そうしていてもやはり錆びてしまうものは仕方がありませんね。そこで缶バッジのサビ取りに良い方法をご提案させていたdかいます。
初めに・・・この手のサビはどうしようもありません
缶バッジが錆びる原因として一番多いのはこちらにある「弊社が行っている缶バッチの錆び対策について」をご覧いただければお分かりになります。Twitterなどで缶バッジが錆びた写真を見ていますと、缶バッチの表面(デザインが印刷してある面)が錆びているものがあります。この写真の感じですね。
これは、わざと防錆処理(原稿と缶バッジのフロントパーツの間に薄いフィルムを挟むこと)をせずに作成して、水分の多い場所に数週間放置した実験用のものです。錆のために印刷面が茶色に変色しています。
これにつきましては缶バッジ製造の工程における防錆対策がなされてなかった結果ですのでどうしようもありません。この錆び方を説明しますと、缶バッジの原稿から水分がしみ込んで中へ浸透していきます。そして、缶バッジの表面のパーツに錆びを発生させてしまいます。そうなりますと、缶バッジの原稿が錆びで浸食されて原稿の印刷面を浸食してしまいます。缶バッジの上からみますと印刷面茶色い点々が見えてきます。これが錆びが浮き上がってしまった状態です。従いまして、このような錆びに対しては手の施しようがありません。
こうならないために、私たち缶バッジの製造業者では缶バッジの原稿とフロントパーツ(表面のフタ)の間に薄いフィルムを挟んで水分を物理的に遮断することを行っています。しかし、コストの問題なのか単に知らなかったのか、薄いフィルムを挟まずに製作しているお店もあるようです。今だにtwitterでこのような写真を見ることがありますのでちょっと残念ですね。
さて、一般的な錆び取りの方法としては、歯磨き粉を使って磨き落としたり、重層やクエン酸などに漬けて水で洗い流したりという方法があります。また、レモン汁などの果汁を使って擦りおとすとかジャガイモもに洗剤を付けてこすり流すといった方法もありますが、どれも缶バッジの錆び落としには向かない方法でした。
ボンド(セメダイン)で錆びを取る
木工用のボンドがありますが、これを使って錆びが取れることがあります。この写真はセメダインと書いてありますが、もともとボンドは「コニシ株式会社」の登録商標ですので中身は同じものになります。コンビニや100均一などでも購入可能です。錆びの部分にボンドを塗ってしばらく待ちます。塗った部分が透明になったらゆっくりと剥がします。すると思った以上に綺麗に錆びが取れました。缶バッチの錆びは表面に薄く発生している場合が多いので比較的小規模の錆びでしたらこれもで大丈夫そうですね。
他にも色々とある錆び落とし方法が・・・でもこれらの方法は缶バッジには向きません
他にも錆びとり方法は色々ありまして、サンポールで錆びを落としたとか、ピカールで錆びを取り除いたという事例もありました。サンポールはご家庭にあるものとして身近ですが塩酸ですので取扱いに注意が必要ですのでおすすめできません。錆びた金属をサンポールに浸して錆びた部分を溶かして錆びを取るというものです、サンポールのパワーは超強力で工具などの錆びに使っているかたも多いのですが、これは危ないので缶バッジに使うのはやめた方がいいでしょう。
また、ピカールという商品が錆びとりにいいという話を聞きますが、ピカールは研磨剤になります。錆びの部分にピカールを塗って金属ブラシなどで磨いて落とすというものです。危険な薬剤等は入っていないので危険性は少ないですが、研磨しますので錆びを落とした時に擦り傷がかなり目立ちます。紙やすりで錆びを取った時と同じような跡がつきますので、それが気になる方には向かないかと思います。
缶バッチを錆びさせないために・・・
錆びさせないように油を少し布に湿らせて缶バッジの裏の面に薄く塗っておくのもいいかもしれません。油は家庭にある油(天ぷら油、サラダ油など)ですとしばらくするとベタベタになるので、工業用の油等を使いましょう。大切な缶バッジを少しでも長く使えるようにするためには保管の方法も考えてみる必要がありそうです。
今回は缶バッジの錆び落としについて考えてみました。手軽なのはやはりボンドで錆を落とす方法でしょうね。と、その前に、なるべく錆を発生させないようにお使いいただけるとずっと缶バッチを楽しめるかと思います。