缶バッジ?缶バッチ?英語のスペルから分かるその違い。どっちが正しいの?
缶バッジって「缶バッチ」「缶バッヂ」など色々と呼ばれていますが、どれが正しいのでしょうか?というご質問をお客様よりいただきました。今回はそのご質問にお答えしようと様々な観点から調べてみました。
バッジの意味を遡りますとアメリカの保安官などが胸に付けているものがそうです。もともとは所属の証、職位の証として利用されていました。選ばれた人や特別な人達が身に着けるものだったのです。それが広告のキャンペーンや選挙のキャンペーンなどに利用されることで一般的に広まりました。
単純に検索サイトの検索の数だけを見ますと「缶バッジ」というキーワードが一番多いので、これが標準的な呼び名ということになります。ちなみに弊社サイトへ検索される方で、変換ミスなんでしょうね、「館バッジ」「感バッジ」「間バッチ」「缶パッチ」などのキーワードで入ってこられる方がいらっしゃいます。思わず「惜しい!」と言いたくなります(笑)
この中で「感バッジ」で来られる方がやけに多いなと、缶バッジファクトリーのサイトを色々見てみたら、サイト内に誤植を発見しまして「感バッジ」と記入されていたところがありました(笑)私どもの変換が間違っており大変申し訳ありません(汗)やっぱり変換ミスというのは結構ありますね。また、検索してこられる方があまりにも急いでいるのか、ローマ字変換のボタンを押し忘れてしまい「kannbajji」と入力して変換せずに検索されるかたもいらっしゃいました。
他の国での「缶バッジ」の呼び方と英語のスペルで見る違い
他の国では「缶バッジ」がどんな呼ばれ方をしているのかを調べてみますと、アメリカでは缶バッジを英語に訳すると「ピンバックボタン」「ボタンバッジ」などで英語のスペルでは「PinBack button」「Button Badge」などとなります。ちなみに、ピンバックボタンは今でいう「の」の字ピンのことで、1896年にはこのタイプでアメリカ国内で特許が取得されていました。
缶バッジの歴史、ルーツについてはこちらで詳しくご説明していますのでご覧ください。
そんな昔に既に缶バッジが作られていたとは驚きですね。シャツにあるボタンのようなバッジということでボタンバッジになりました。それから特別な人達のみが着けていたバッジが一般の人も着けるようになったのです。アメリカ国内では「Button Badge」の英語綴りの方が検索数が一番多いので一般的な呼び名ということがわかります。
また日本のアニメブームが世界に影響を与えている関係で「Can badge」というキーワードも一般化しそうです。海外のサイトでバッジを「Can badge」で検索してみると日本のアニメの缶バッジを売っていました。
もっとも、この英語の「Can」は日本語の「缶」と同じ意味になりますので呼び名としては適しています。日本のアニメブームがもっと広まっていくとバッチは「can badge」が正式な呼び名になるかもしれませんし、日本のアニメの缶バッジのことを指して「can badge」になるということも考えられます。
中国では缶バッジを「胸章」、「徽章」と書きます。日本語と似ているので何となく意味が分かりますね。日本ではバッジやメダルなどのことを「記章」と書きますので中国語の意味と近いことがわかります。中国においても、1930年代に軍の兵士が自分の名前等を記したバッジを軍服に着けたとこころから始まったそうです。もともと職位や身分を表すためのものとして身に着けていたということでアメリカと同じような背景ですね。
ちなみに中国で取引のあるメーカーさんで、メールでやり取りをすることが多いのですが、「缶バッジ」を「缶ベッジ」と書いてくる担当者さんがいました。この方は日本語が話せて文字も書けるという優秀な担当者さんなのです。
でも、なぜ「ベッジ」なのかなと考えたら、発音記号では[bˈædʒ」]となり、母音が日本語の「ア」と「エ」の中間の発音になるからなんだと納得しました。このように説明すると発音的には「ベッジ」でもいいという気がしませんか?
ドッジボールも「ドッジ」と「ドッチ」と缶バッチと同じように使われている
「バッジ」と「バッチ」のような読み方の違いが他にもないと比較しようがないと思って調べてみますと、そういえば、ドッジボールもドッジボールとドッチボールの呼び方がありますね。私は当時、ドッジボールと言ってた気がします。ドッチボールと言っていた友達もいました。
それぞれの読み方を使っているサイトが見受けられますが、ただし、この場合はドッジボール協会という団体があって、正式にドッジボールを呼び方として採用してますのでドッジボールが正しいという事になりますね。「ドッチボール」というキーワードを使っているサイトも沢山ありまして呼び方を変えそうな雰囲気はありませんが、正式名称が決まっている以上「ドッチ」を使ったままですと検索されにくくなってしまいますので、不利になってしまうでしょう。
そうなりますと、我々の業界も日本缶バッジ製造協会みたいな団体を設立して缶バッジを呼び方として定めた方がいいのでしょうか(笑)。それぞれの文字の綴りを見てみると、ドッジ(Dodge)とバッジ(Badge)となり、綴りも同じようなのでやはり「バッジ」と呼ぶ方が正しいと私は考えます。
難しい発音のために「缶バッチ」に変化したのか
日本語の発音として「バッジ」、「バッチ」の「チ」や「ジ」などの音は発音しにくいことがあります。それで呼びやすい発音に変化していったのかなと思いました。
これは昔経験したことですが、東京の下町出身の方で、ご自身を「江戸っ子」と言っているお客様がいました。「ひ」を「し」と言われる(俗に言う江戸弁)方でした。仕事のお話をしていてそのお客様が「シンセイシン」と言っていたので最初は何を言っているのかがわからなかったのですが話を進めているうちに、あとで分かったのですが、新製品(シンセイヒン)と言っていたのでした。
日本語の発音は色々と変化していますので、特に言いにくい発音はいいやすいように変化していきますね。そのように「缶バッジ」の「ジ」が発音しにくい人が「チ」を使うようになったのかとも考えられます。「ジ」よりも「チ」の方が言いやすいという方も結構いますね。そのような感じで、先に書いた「ドッチボール」が同じように変化したのかもしれません。
色々と調べてみましたが、どちらが正しいというよりは、言いやすいように変化していったというのが今回思ったとこです。その違いにしても意味は変わりませんのでどちらを使ってもいいかと思います。しかし、私個人としては缶バッジを正式に呼び名として採用したいとことですが、バンダイさんが「Canバッチgood!」という商標を使っているので「缶バッチ」とそれぞれ独立した呼び名になっていくことでしょう。
大手のメーカーさんのように影響力の大きい方が使う言葉が一般化しますので「缶バッチ」に統一していかくかもしれませんが、この業界がもっと盛りあがてって言ってもらえればいいなと思います。